着物の汚れを家庭で落とすには?

着物という衣類について考えれば考えるほどに、つくづく時代に合っていないと感じます。まず簡単に何度でも寸法直しができる点。結び方次第でどんな人でも着れるために、サイズが合わなくなったから着れなくなったという事がありません。
ですから代々着続けられている着物というものが存在するのですが、大量消費社会には受け入れられにくいものですね。
しかし着物を着る事で日本人が忘れてしまった和の心を養う事ができると思います。和の心とはつまり肌触りの良さがある反面、デリケートで洗い方が難しかったりするはかなさを持った衣類であるという事です。ですから着物は本当、大切に着用し、できれば子々孫々に受け継いでいってもらいたいものです。
ですから着物の汚れが家庭で落とせるなら落としましょう。さてその方法とは?

着物は絹です。

さて、着物の素材に注目してみるとそのほとんどはシルク、つまり絹です。ですから着物の汚れ落としとは絹の汚れをどう落とすか、これにかかっています。
水分を含むと縮みやすいのでまず水は使えません。最近はウォッシャブルシルクといって洗っても大丈夫なシルクも登場してきていますが、和服でウォッシャブルシルクが使われている様な事は少ないでしょう。
ですので汚れ落としに丸洗いをする様な野暮な事は出来ないという事です。ではどうしましょう。
シミができた場合弱い酸素系の漂白剤で少しずつ少しずつ丹念に落としていくしかありません。弱い漂白剤だからといってゴシゴシと強引に擦るとすぐに生地がダメになってしまいますので、本当に丁寧に行う必要があります。とても繊細な手つきと気永に着物に向かい合う気持ちが大切です。
漂白剤の代わりに無添加粉せっけんとクエン酸を使っても大丈夫です。無添加のせっけんというのはせっけん以外の成分がほとんど入っていないという事で、純せっけんとかせっけん成分99%とか表示されています。肌にも優しく、生地にも優しいのでおすすめです。
主に酸素系の漂白剤はたんぱく質の分解などに高い効果を発揮しますので漂白剤はたんぱく質がついて落ちない時に、それ以外はせっけんとクエン酸という感じで使い分けてみてはいかがでしょうか。
それでもダメな時は無理すると生地がダメになるため、クリーニング屋に相談しましょう。