着物は、晴れの席とか大事な席に着る大事なものです。ただ、この着物の大変なところは、まず高価なものですし、保管に失敗してしまうと、着物にカビが生えてしまって大変なことになってしまいます。そういう事にならないために、着物はしっかり収納することが大切なのですが、一般的に着物を収納する場合には、桐の箪笥に収納するのが良いと言われます。では、どうして桐の箪笥に収納するのが良いのかご説明します。

着物の大敵には湿気です。どうして湿気が着物にとって大敵なのかというと、湿気が多いと着物にカビが生えやすくなってしまい、着物を傷めてしまいます。日本の天候は全般的に多湿であるということもあり、長期間同じ場所に保管をしていると、カビが発生しやすくなってしまいます。

桐の箪笥が着物収納に向いている理由

では、どうして桐の箪笥が着物の保管に向いているのでしょうか。まずその理由としては、桐の箪笥には湿度の調整機能があるからです。桐の箪笥は、湿度が高いと湿度を吸収し、湿度が低いと湿気を放出する機能があります。これは、桐の箪笥が雨の日は開けにくく、天気の良い乾燥した日はすっと開くのは、桐の箪笥は湿気が高い場合には湿気を吸収して桐の箪笥自体が膨張し、湿気がなくなると湿気を放出することで桐の箪笥自体が収縮します。つまり、桐の箪笥は、湿気が多い時に傍証するということはタンスの気密性を高めるため、その結果外気の湿気が箪笥の中に入りにくくなり、箪笥の中に収納されている着物に余分な湿気が含まれることをも防止します。また、そのため余計な湿気が着物にためることがないため、カビの発生を予防することが出来ます。また、湿度が低いと、箪笥が収縮するため、隙間が出来ますので、その結果箪笥の中に乾燥した空気を取り込みやすくなるため、結果として箪笥内の湿度が安定的に保たれることによって、万全な防カビ対策が自動的に行われているのが、桐の箪笥のメカニズムです。また、桐の箪笥は湿気の調整以外に桐自体が虫が付きにくいということと燃えにくいという特性がありますので、着物の収納には最も適しているとされています。ただ、桐の箪笥というのはとても高価であるということと、やはり大きな家とかでないとなかなか収納するのが難しいというのがデメリットと言うことが出来ます。特に現代社会においては、収納スペースの問題があり、着物のためにわざわざ桐の箪笥をおくというのは現実的に難しいところです。では、桐の箪笥がない場合に、着物の保管をどうしたらいいのでしょうか?

桐の箪笥以外にも収納は出来る?

それでは、着物を安全に収納するためにはどうしたら良いのかということを現実的に考えてみますと、洋服ダンスやプラスチックケースに収納できるのかということになりますが、実はこれらのスペースに収納するということは可能です。ただ、洋服ダンスやプラスチックケースに収納する場合には、しっかりとした湿気対策が必要です。というのは、洋服ダンスやプラスチックケースには湿気が入りやすいので、そのための工夫が必要です。具体的には洋服ダンスやプラスチックケースを閉めっぱなしにしておくのではなく、晴れた日や乾燥した日には扉を開けて空気が流れやすいようにします。これは洋服ダンスやプラスチックケースに滞留した湿気を開放することが目的です。また、乾燥した季節に特に秋から冬にかけてと、梅雨入り前の5月などに着物を洋服ダンスから出して、吊るし干しをしましょう。これによって着物の湿気を飛ばすだけでなく、虫対策にもなります。

これの作業については、
・風通しの良い部屋に行う
・直射日光は避ける
・蛍光灯にはあてない
・夕方にしまう
以上の作業をしっかり行いましょう。以上のようにしっかり防湿対策や防虫対策をしておくと、桐の箪笥がなくても、家にある家具などで収納することも出来ます。