着物のお仕立てとは

最近は何でも出来上がり品が多いです。ですので衣類というと完成品しか知らない人は多いのではないでしょうか?
ジョークで最近の子供は肉というと鳥や牛ではなくてパック詰めされたものしか知らないというものがありましたが、衣類の方がその傾向は顕著です。特にファストファッションが定番となってからはよりその傾向が強まっています。
しかし男でも女でも、成人する時などで一丁前の格好をする時にはスーツでも着物でも仕立て、つまり自身の体形に合った服装をオーダーする所から始めたものなのです。その際には生地を選ぶところから始まります。 今でも仕立てをしてくれる所はありますが、既製品よりもずっと高価です。やはり一丁前の服を着るとなると生地から選ぶのが粋というものですよね。
しかし仕立てといっても完成までにどれくらいかかるのか分かりませんよね。これではいざという時に頼もうと思ってもいつ頼んでよいか機会が掴めず、結局頼まないままなんて事になってしまいそうです。
ですのでタイミング的にいつ頼むのが良いか知っておきましょう。

一か月は見ておいた方が良い

着物のお仕立てには、できれば1か月くらいの期間を見ておきましょう。というのも着物は本来とても手間のかかるものであるからです。サザエさんがミシンで服を作るようには簡単にはいきません。
まず生地を仕立てがしやすい状態にしなければなりません。その作業をゆのしやゆどおしなどといいます。その他紋入れなども必要であれば行います。
まあ要するに生地の状態からしてまず整えていくわけです。こんな事量販店に並んでいる様な既製品を作る時にそこまで手間をかけてやっていると思いますか?まずやっていません。そこから徹底しないと良い着物は作れないわけです。
もちろん、最近では様々なニーズに応じて、最短で3日で作れるという様なお仕立て屋も存在します。もちろんそういった所で注文するのでも構わないとは思うのですが、もちろん日数が短いので手間のかかる様な作業はどうしても飛ばしがちになってしまいます。となると、やはり造りの雑な着物になってしまわざるを得ず、完成品を見ても特に感動も愛着もわかない様な着物しか着る事ができません。
ですので多少お金がかかってしまう事は間違いないのですが、それでも一生ものの着物を手に入れるのであれば、一か月は必要であるという様なお仕立てをしている所で依頼する方が質の良い着物に巡り合える可能性が高いです。
ですので、卒業式などのシーズンに間に合わせたいのであれば1月くらいには頼んでおいた方がいいでしょうね。